パラリンピックとは

2020オリンピック・パラリンピックがいよいよ近づいてきました。パラリンピックは世界最高峰の障害者スポーツ大会であり、トップアスリートが高いパフォーマンスを競う世界的なイベントであります。ロンドン2012年パラリンピックには164ヵ国、4,237人の選手が参加し、観戦チケット販売枚数は約278万枚。多くの競技会場で観客席が満員になり、史上最多の観客動員数を記録しました。リオ2016パラリンピックでは、22競技・528種目のうち、世界新記録220、パラリンピック新記録は432にのぼり、競技レベルも高まっております。今回はパラリンピックについての知識を深めて、今年行われるパラリンピックをより楽しんでいただけたらと思います。

パラリンピックの起源

現在のパラリンピックへと発展した原点は、第二次世界大戦(1939〜1945年)後のことであると考えられています。戦争で負傷した兵士の治療と社会復帰を目的としたイギリス・ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院の医師ルードヴィッヒ・グットマン卿により、1948年ロンドンオリンピックにあわせて、院内で16名の車いす患者によるアーチェリー大会を開催したことがはじまりとされています。

1960年ローマオリンピックの同年に、ローマで行われた大会(第9回ストーク・マンデビル大会)を、後に第1回パラリンピックと位置づけ、1964年東京大会(第13回国際ストーク・マンデビル競技大会)が第2回パラリンピックとなりました。そして、2020年、東京に再びパラリンピックがやってきます。同一都市で夏季大会2回目の開催は、世界初のケースであります。

パラリンピックという名称の由来

「パラリンピック(Paralympic Games)」が正式名称になったのは、1988年のソウル大会からだと言われています。現在はギリシャ語のパラ=Para(沿う、平行)+Olympic(オリンピック)とし、もう一つのオリンピックとして解釈されています。

当初「パラリンピック」は「オリンピック開催年にオリンピック開催国で行われる国際ストーク・マンデビル大会」=「Paraplegia(対まひ者)」の「Olympic」=「Paralympic」という発想から、東京大会の際に日本で名付けられた名称でありました。しかし従来のパラリンピックという言葉は、対まひ者のオリンピックという意味であったことから、身体障害者の国際大会になじまなかったため現在の解釈へと変わっていきました。

パラリンピックのシンボル

赤・青・緑の3色で表現されたこのシンボルマークを「スリーアギトス」と呼びます。この三色は世界の国旗で最も多く使用されている色ということで選ばれました。「アギト」とは、ラテン語で「私は動く」という意味で、困難なことがあってもあきらめずに、限界に挑戦し続けるパラリンピアンを表現しています。大会の象徴であるマークは、人間の最も大切な3つの構成要素「心(スピリット)・肉体(ボディ)・魂(マインド)」を表しています。