障害者のスポーツと就労支援の関係

障害者のスポーツと就労支援は社会的にも深く関係があります。前回行われた東京パラリンピックを機に始まった取り組みもあるので、再度東京でパラリンピックが行われる本年にせっかくの機会なので意識を向けていただけたらと思います。

1964年東京パラリンピックと太陽の家

障害者スポーツと就労支援の話をするときに有名な話と言えば、1964年に開催された東京パラリンピックにおいて日本選手団の団長をされていた中村裕医師に関することで、NHKドラマでも放送されました。

https://www.nhk.or.jp/dsp/taiyo/
https://www.nhk.or.jp/dsp/taiyo/

中村裕さんは整形外科医として障害のある方々に関わる中で、スポーツの有効性を感じて普及活動を行っていました。当時の日本ではまだ「治療は安静が中心」という考え方で、「患者にスポーツをさせること」に関してはかなりの反対もあったようですが、熱心な説得で周りを巻き込み大分県身体障害者体育協会の設立そしてパラリンピック開催にも深く関わりました。しかしなんとかパラリンピックは開催できたものの、日本選手と外国選手の状況にはかなりの格差があり、身体能力や成績の違いだけでなく、経済的自立度にも大きな違いがあることを知り、障害者の就労支援に関する意欲が高まったようです。

そこで作られたのが社会福祉法人太陽の家です。もともとは太陽の家単体で事業を行っていましたが、今ではオムロン、ソニー、ホンダ、三菱商事、デンソーなど企業と提携して共同出資会社をつくり、多くの重度障がい者を雇用しました。このような事例を参考にして社会全体で障害者雇用が促進されることが必要であると考えられます。