健康に過ごすためには

近年世の中には様々な情報が溢れかえっており、医療の専門的な知識がない人にとっては何を信じてよいのか分かりにくい世の中になってきていると思います。今回は最新の文献の情報ではなく古典的な文献を参考にした内容を紹介しようと思います。

日本に現存する最古の医学書は平安時代に宮中医官を務めた鍼博士・丹波康頼が撰した医心方という本だと言われています。そこには医師の倫理や医学総論、各種疾患に対する療法など様々な内容が記されています。このような古い文献においても健康に関する根幹部分としては共通するものもあるのではないでしょうか。

また、健康に関する内容として「食養」という言葉を提唱した明治時代の軍医である石塚左玄という者がおりますが、風土性と自然食を強調する食物養生法を縮めて「食養」と名づけ、食と養生の大切さを説きました。明治以降日本の西洋化によって一度は衰退してしまいますが、昭和になって食養生の基軸をなす「食養生の順番」の基礎を構築した菅野賢一医学博士の視点が加わることで体系化がなされます。これはいつの時代であっても変わらず重要な内容であると感じたため、今回共有します。

図:食養生の順番

図のように心が根幹にきて、その上に太陽・空気・水そして食の順番で重要であるという考え方です。テレビのCMなどを見ていると様々な健康食品や外食の情報が入ってきて多くの情報に振り回されてしまいがちですが、健康に困った時はそれよりもまず太陽の光をあびて規則正しい生活をし、深呼吸をして新鮮な空気を取り込み、清涼飲料水などをとりすぎずに自然に近い水を体に染み渡らせることで、心を健康に保つことが良いのではないでしょうか。